2014年10月27日

舟を編む


前から気になっていた本

舟を編む


辞書を作る過程から完成までを描いた小説です。

私はDTPというパソコンで小冊子のページレイアウトを編集する仕事をしているので、多くの部分で共感が持てました。ただ、辞書編集は自分がやっている仕事の数十倍は大変かと。笑

辞書作りは、言葉集め、見出し語の選定、語釈の執筆、レイアウト、校正、紙の選定など、量が量だけに地道で気の遠くなる作業ですね。

言葉集め一つとっても、略語、俗語、古語、新語、専門用語など、膨大な量の言葉を集め、その中からどの言葉を選定していくかを決めていかなければなりません。言葉の選定によってその辞書の個性が決まるということです。

完成後もすぐに改訂作業に入るという、終わりのない仕事です。とんでもないですね。でも、とてもやりがいがありそうな仕事だと思います。

読み終わった後、辞書に興味が湧き、家にある辞書を引っ張り出してみると...





岩波国語辞典第6版がありました。この改訂第6版は2000年に発行されています。総語数は約1,300ページに63,000余り載ってます。これは小型辞典の部類になると思われます。

あとがきを見てみると、この辞書の計画が始まったのは1954年で初版発売からこの改訂第6版の刊行まで、40数年経ったということです。1つの改訂に7~8年掛かっています。すごいわぁ。

今はパソコンが普及してるので、校正作業なんかは楽になってるんでしょうか?あと、今は分からない言葉はスマホなんかですぐに調べられるので、紙の辞書の需要がどのくらいあるんだろうか?…なんて勝手に気になったりします。

あとがきにはそのほかに、この辞書に注ぎ込んだ工夫についても書かれていました。あとがきなんて普通の人は見ないですよね。笑


この作品は実写映画もあるので、レンタルして見てみようかと思います。




  


Posted by ヨースケ  at 20:52Comments(0)その他